2016年3月10日木曜日

まどさんの世界

2014年に出た詩集。
この中から。

はっぱのたのしみ

サクラでもケヤキでもなんでもだが
そらでくらす大木たちはかみのように
うすくてひらべったいはっぱを
五まんともっていてメモちょうにしている
ムシやコトリや小さないのちたちのために
きせつのうたでもてんきよほうでも
なんでもかきしるしておくのだ   わかばから
らくようまでのあいだずうっと…
それにそらはむげんにひろいから
ほしやくもやあめかぜのほかにどんな
みしらぬらいきゃくがあるかもしれない
じぶんがなにものであるかをしるした
めいしにもなっておかねばならない
むろんはっぱにはこうごうせいという
木のいのちにかかわる大しごとがあるが
それをはたしたうえでなおこんなに
いろいろやっているのだ  お日さまからの
おほめのことばがきこえるようで
それがうれしくてたまらなくて…


たまらないまどさんのことばの紡ぎ。